副院長ブログ(インクレチン関連薬③DPP-4阻害薬の効果と副作用)
インクレチン関連薬で先に世に出てきたのは内服薬で、その仲間はDPP-4阻害薬と呼ばれます。
食事をして食べ物が消化されながら小腸までやってくると、膵臓にむかってインスリンを分泌するように促すインクレチンというホルモンが作られます。
インクレチンの作用持続時間が超短時間であるといわれていて、その作用時間を長引かせるのがDPP-4阻害薬です。
食事のタイミングに寄らず、1日1回または朝晩の2回の内服のものと一週間に一回内服のものがあります。
糖質の消化・吸収が始まって、ブドウ糖が血液中に取り込まれると血糖値が上がり始めます。
そのときにすかさずインスリンが膵臓から血液中に分泌されて、インスリンが血液中のブドウ糖を細胞に取り込む働きをします。
ところがインスリンが出てくるのが遅い、出てくる量が少ない、出てきたのに働かない、ということが起きると血液中のブドウ糖はどこにも行けずに血糖値が上がり続けます。
その出遅れを助けるのがインクレチン関連薬です。
この種の薬はそのほかに血液中にグルカゴンという血糖値を上げるホルモンを抑えたり、インスリンを作る膵臓β細胞を守るとも考えられています。
副作用というか都合の良い作用として、消化管の動きをやや遅く鈍くさせる作用があり、食欲を抑える方向に働きます。その作用が強いと吐き気がしたり便秘になったりすることがあります。
注意すべき副作用としては皮膚に発疹がでることがあるのでそのときは早めに服用を中止します。
同じ仲間で数種類の薬があり、それぞれ効き方や特徴があり、患者さんの様子に合わせて使い分けます。
服用されている患者さんからも感触をお伝え頂き、合う薬を一緒に探していくことが大切だと考えています。
次回は注射薬についてお知らせします。