副院長ブログ(糖尿病合併症③末梢神経障害)
血糖値が高いと血管が傷付きやすいのですが、細かい血管が傷むと細かい神経を栄養する血流が滞ると末梢の神経障害が起きやすくなります。
手先や足先がしびれたり、
なめらかな床に足を置いているのに床が凸凹する感覚を訴えるかたがあります。
感覚がわかりにくいと傷ができたり怪我をしたり火傷をしたりしていることに気付かないことがあり、手足を目でみてよく観察する必要がでてきます。
足を背屈(床に置いた足を足先だけ天井の方に持ち上げる運動)するのが難しくなることも神経障害のひとつです。
ものすごく血糖値が高いと神経の働きが妨げられて激痛が走ることもあります。
高血糖による急激な痛みは血糖値が落ち着くと改善することが期待できます。
長年血糖の異常が続いていることで起きてきた痺れなどの症状は改善しづらいこともありますが、治療に取り組むことでさらなる悪化を防ぐ意義があります。
食後に急に高血糖にならないようにしたり、その高血糖が神経を痛めないように保護したり、痛みをやわらげることに効果があるお薬があり、症状がある場合は御相談されるとよいでしょう。
小さな血管が高血糖により傷つくことによる微小血管障害が目や腎臓や神経に障害がおきることを糖尿病の三大合併症といいます。
微小血管障害のほかに歯や大きい血管の障害がおきることもあるのでまた別の回で御説明します。