メニュー

副院長ブログ(糖尿病合併症⑤大血管障害)

[2025.04.30]

脅かすようで書きたくない話なんですが。

大血管障害というのは(「糖尿病の三大合併症である網膜症、腎症、末梢神経障害が微小な血管病変によるものであること」に対して、)『脳や心臓、下肢などの比較的大きな血管の動脈硬化のために起きてくる病変』のことを指します。

脳へと血液を送る頚動脈や椎骨動脈、脳動脈、心臓の筋肉に血流を流す冠動脈、心臓から大きな大動脈が全身に行き渡る胸部や腹部、下肢へと流れる動脈の血管壁が傷んで血流障害が起きることが大血管障害と言われます。

これが、糖尿病の薬も飲んでいないし自分には関係のない話、ということでもないのです。

HbA1cが健康診断で5.6%以上は耐糖能異常とか耐糖能障害、境界型糖尿病などとしてB判定に位置づけられていることをこれまでも書いてきましたがご自分がそのような値であることをお気づきになっておられるひとがほんとうに少ないです。

甘いものや炭水化物を多めに短時間で摂取したときに一時的に血糖値が200mg/dl近くになって、お腹が空く頃には下がっているというグルコーススパイクという現象がちょこちょこ起きていると血糖値の平均値を表しているHbA1cが5%後半とか6%前半など、ちょっとだけ上がります。

このグルコーススパイクが(検診結果で少し注意される程度のHbA1c値でも)大血管障害の原因であるといわれているのです。

高血圧やLDLコレステロール・中性脂肪が高値、HDLコレステロールが低値、喫煙など他のリスクが加わるとさらに危険が増します。

日頃から血管を大切にする生活習慣が必要ですね。

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME