副院長ブログ(血清1,5-アンヒドログルシトール、1,5-AGを測る意味)
HbA1cが1-2ヶ月の血糖値の平均の目安で5.6%以上は検診で糖代謝異常などという言葉で血糖高め指摘をされ、6.5%は糖尿病の範囲と御説明していますが、6%前後で大丈夫かというと、実は5.6-6.4%の範囲であっても食後高血糖が頻回にあると質の良い6%とは言えません。
食後高血糖が繰り返されると血管に炎症が起きて動脈硬化が進む原因となる可能性があります。
食後に血糖値が高いかどうかは血液で測定しますが、何回も採血して測るのは大変です。
最近は間歇スキャン式持続血糖測定器(リブレなど)が高額ではありますが手軽に手に入るのでご自分で血糖値を知ることもできます。
しかし血糖値を目の当たりにするのはなかなかしんどいことではあります。
そこで、採血検査項目のなかにどの程度食後高血糖が起きているのか知るための指標となる項目があります。
血清1,5-アンヒドログルシトール(1,5-AG)というものです。
「いちごえいじい」とよんだりしています。
岡山大学院検査部/輸血・細胞療法部インフォメーションのページから引用しますと『1,5アンヒドログルシトール(1,5AG)は構造がグルコースに似たポリオール(分子内に水酸基を2つ以上もつ化合物の総称)で、体内に豊富に存在する。1,5AGはごく少量ずつ毎日食物より供給され,余分な分は尿へ排泄される。1日の尿中排泄量と経口摂取量はほぼ均衡する。正常では1,5AGは、腎尿細管の1,5AG/マンノース/フルクトース共輸送体によりほぼ99.9%再吸収を受けるが、高血糖に伴うグルコース排泄(尿糖)により、再吸収が競合阻害を受け、尿中へ喪失されて血中濃度が低下する。1,5AGは尿糖の影響を受けて増減するため、通常、現在ないし直近の血糖コントロール状態と一番よい相関を示す。したがって経時的測定により一定期間の血糖の流れが明確に示されるため、治療効果や患者の状態の迅速な把握にきわめて有用である。1,5AGのモニターにより、血糖の下げ過ぎを未然に防ぐことや、急速な血糖降下を避けることが容易になるばかりでなく、薬剤の切れ味の確認にも役立つ。1,5AGは血糖の近正常域(HbA1cで6~8%のレベル)で大きな変動幅を有するため、他の血糖指標よりも正確で客観的な血糖情報を提供する。』
上記のように食事をして高血糖になると尿に排泄されてしまい血中の1,5AG濃度は減るので正常値でが14μg/dl以上ある数値が1μg/dl以下などの低値になることがあります。
HbA1cが6%ぐらいのひとであっても、です。
数日間の指標となるので治療効果を早く診たいときにも有用です。
なお、腎臓で糖の再吸収を阻害して尿糖が出るSGLT2阻害剤内服中である場合は1,5-AGは低値になると考えられます。
保険で測定するときにHbA1cかGAグリコアルブミンか1,5-AGか月に1回どれかしか測定できないので1,5AGを測るときはいつものHbA1cは測れないのでまた次月に測定させていただくことになります。
もし低値の場合、食後高血糖を是正する食事療法や薬物療法を考えます。
