副院長ブログ(2026年6月6日市民向け講座「フレイルの予防」を聴いてきました)
5月は連休や学会や会合などあり瞬く間に過ぎました。
そうこうするうちに梅雨入り宣言。
散歩も雨の日はなかなか外出できず、運動不足になりがち、、、。
そのような時期にも関わらず、6月6日京都府医師会館で開催された市民向け講座にたくさんの方がいらっしゃってました。
京都糖尿病医会から京都府医師会の健康スポーツ委員会の委員の役目をいただいておりまして、私も現地にでかけて聴講してきました。
栄養士から、健康寿命と体重のお話。BMI(body mass index=体重/身長×身長)が22は35-49歳の世代には当てはまりますが、50-69歳では23、70-89歳は24とやや体重が多めの方が健康寿命が長いということでエネルギー不足・筋肉不足にならないように気をつけましょう、ということでした。タンパク質を三食に分けて摂取することが大切で、体重1kgあたり1日1-1.2g目安、ということは60kgのひとなら一日60gのタンパク質を分けて食べます。魚60gがそのままタンパク質60gではないことに注意が必要です。卵1個がタンパク質5g、納豆1パック40gも5g、鮭一切れ80gで17gなど、調べてみると案外少ないことがわかります。なので朝は卵だけではなく乳製品を加えたり、お昼には豆腐とお魚、夜はお肉とサラダには海藻を付けたり、と組み合わせることで一食20gタンパク質を摂る工夫が要ります。
歯科医から、オーラルフレイルについて。「固いものが噛めない」「むせる・こぼす」「口が渇いて口臭が強くなる」「歯が少ない」「滑舌が良くない」の5つのうち2つ以上該当するひとはオーラルフレイルに注意です。なかでも歯が少なくなると嚙む力が減りやすくなるので、20本以上は保つようにとのことです。パタカラと言ったり、舌をべーと出したり、左右の頬を舌で押したり、ぐるりと舌をまわして頬を押したりなどの運動が紹介されました。歯間ブラシ、フロスでの掃除も大事で、それでも取れない歯石などは定期的に歯科でクリーニングがおすすめです。
糖尿病専門医から、自分の体格指数BMIを知ることの勧めから始まり、1991年の研究結果で22が最適といわれてきたけれども本当に22で一番いいのか、高齢になると22から25の間がいいのでは?というさらなる結果が示されました。しかし何故ひとは痩せたくなるのか。若い時に回帰願望や動きやすさ?もっと痩せていた方が理想でもっと痩せなくちゃと考えがちな人が多いです。巷で噂のマンジャロは痩せるための薬ではありません、糖尿病の薬なのです、というところから、インクレチン薬とSGLT2阻害薬の詳しい説明がありました。薬は良い面も悪い面もあり、治療で使用している中にこれらの薬が含まれていて、効果が出すぎて痩せてしまっていないかどうか注意が促されました。フレイルは体だけでなく心も衰えてくる状況であり、フレイルの渦に巻き込まれない対策として運動と社会参加と栄養が大切です。スマホの歩数計をオンにして自分の歩数を知る。目標は10000歩ですが難しいひとは主治医と相談。レジスタンス運動と有酸素運動に加えてバランス運動が勧められました。週に一回ジムに行っていると言う人がありますが、こまめな運動を週に三回以上、運動しない日が2日以上続かないように。筋肉の材料はタンパク質。炭水化物半分、残りの半分がタンパク質と脂質。炭水化物ばかりにならないように。一日一食、16時間ダイエットは、高齢になるとタンパク合成力が衰えていて一回摂取量が少ないため、運動のあとに筋肉痛が治らない、運動やり溜めできない、蛋白質も摂り溜めできないので、高齢者はその方法をするべきでない、とのお話しもありました。
整形外科医から、筋力低下予防について。ロコモサインを見つけるロコモ度テストが紹介されました。①立ち上がりテスト(40㎝ぐらいの高さの椅子から片脚または両脚で立ち上がれるか)②2ステップテスト(大股で二歩歩いて自分の身長より長く進めるか)③ロコモ25(25項目の質問で身体・生活状況チェック)という内容で、受けたことがある方もあるかもしれません。ロコモティブシンドロームになりやすい条件が40歳以上、女性、BMI25以上、高血圧症などの疾患がある、など示されました。運動で体力維持の目安として成人で1日8000歩60分以上の歩行、ご高齢のかたで1日6000歩40分以上の歩行が勧められていますが、片足立ち1分で53分歩行した効果があるとのことです。さらに、スクワットは筋トレの王様で、膝上の筋力維持が膝関節を守り転倒予防になるというお話しもありました。
京都府からはフレイル対策としての府民の行動目標について説明がありました。数々の疾患のなかで心不全が増えているので、血圧コントロール、減塩(目標7gに対して実際の摂取量平均が11gだと)、ナトリウム排泄を促すためにカリウムを摂取する目的で野菜を一日350g以上摂取などが示されました。減塩・適塩メニューなどの取り組んでいるお店は食の健康づくり応援店というステッカーがあるそうです。
京都市からは市民向けに地域介護予防推進センターが市内に12箇所あり、センターでの取り組みについて紹介されました。
2時間余りに渡る講演でしたがみなさんじっくり聴講されて、熱心さが伝わってきました。
毎食タンパク質を摂取して、週3日以上、間2日以上あけずに、こまめに運動ですね。
(医療的に食事・運動制限のあるかたは主治医と相談なさってください。)
