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副院長ブログ(HbA1c6.5%で朝食後検査時に血糖が90mg/dlの意味)

[2023.06.23]

よく検診などでHbA1cが5.6%以上は耐糖能異常(糖尿病に近い状態)の可能性があります、と御説明するときに、

HbA1c6.5%以上は糖尿病といってよい数字です、とお話ししています。

HbA1cが6.5%以上になるということは食事をして炭水化物などの糖質を摂取したときにちょくちょく血糖が200mg/dl近くになっているという状況が予想されます。

そのような患者さんが外来に来られたときに、HbA1cが6.5%で、

随時血糖(そのときの血糖値)が90mg/dlであった場合何が起きているのでしょう。

朝はしっかり食べるのだとおっしゃる方も多いですが、

食事をして出かける支度をして採血に来られて食後おおよそ3時間ぐらいとしましょう。

食後1時間後から2時間ぐらいにかけて血糖値が最も高くなって、

一旦200mg/dlほどに上がって、それに反応してようやく膵臓からインスリンがぼちぼちと出始めます。

食後2時間を過ぎてだんだん血糖が下がり始めます。

(健常な血糖値変動の場合は2時間後には120mg/dl以下に速やかに下がるのですが、少し下がるのも遅れます。)

高い血糖値だったのでインスリン分泌がなかなかおさまりません。

もう血糖が良い値になってきたのに遅れて出てきたインスリンがまだ働き続けます。

血糖が下がりすぎて、良すぎる数値になります。

朝の空腹時でもなかなか100mg/dlより下がらないのに食後に血糖が下がる。

インスリンの出遅れ、だらだら分泌のためと考えられます。

憶測ではなく最近は血糖値の持続モニタリングができるため、このような血糖の動きが明らかになってきています。

ではどうすれば良かったんでしょう。

インスリンの分泌遅れを改善するのは難しいですが、

朝にパンやごはん、マカロニなどのパスタ、ポテト、納豆などの大豆、糖をつかった調味料やおかず、ちょっと甘いヨーグルト、ジャム、くだもの、微糖のアイスコーヒー、、、あれこれと炭水化物が重なっていないか見直してみましょう。

朝に限らず、糖質を摂り過ぎて食後に一気に血糖値を上げすぎないことについて、ご一考ください。

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