メニュー

副院長ブログ(免疫システムを知る⑬獲得免疫-h.キラーT細胞:前編)

[2021.08.31]

病原体が進入すると食細胞は病原体を認識して活性化し、食細胞だけで対応できないとき仲間の樹状細胞が抗原提示のためリンパ節に向かい、抗原特異的にナイーブヘルパーT細胞を活性化、ナイーブB細胞がB細胞抗原認識受容体にくっついた抗原を食べて活性化ヘルパーT細胞に抗原提示(MHCクラスⅡ+抗原ペプチド)を行い、活性化ヘルパーT細胞は抗原特異的にB細胞を活性化し、活性化B細胞はプラズマB細胞となって抗体を作り放出。抗体による①中和作用で病原体が排除されつつ、活性化ヘルパーT細胞は食細胞をも活性化して、既に活性化していた食細胞がさらに②オプソニン化で活性化され強力な消化能力と殺菌能力を持ち、自然免疫と獲得免疫が互いに助け合って病原体を排除して、最後には自然免疫が締めくくるという流れを勉強しました。

そしてMHCクラスⅠの役割について、です。

病原体が細胞の外にいるときはこの流れで対処できるのですが、細胞に潜り込んでしまったウイルスや細胞に寄生する細菌を排除するためには、もうひとつのお皿であるMHCクラスⅠが活用されます。MHCクラスⅠ分子は体中のすべての細胞が持つお皿で、細胞質で自分の蛋白質が分解されてできたペプチドを乗せるのもです。

ウイルスなどに感染していないときは細胞の表面には自分の細胞由来のペプチドだけがMHCクラスⅠのお皿に提示されています。それは正常な細胞であるという目印になります。MHCクラスⅠ分子にウイルスや細胞内寄生細菌由来のペプチドが乗っている場合は感染した細胞であるという目印になります。

MHCクラスⅡ分子は抗原提示細胞だけが持つお皿ですが、抗原提示細胞はMHCクラスⅠ分子も持っており抗原提示細胞はこのMHCクラスⅠ分子のお皿にも食べたもの由来のペプチドを乗せることができます。これをクロスプレゼンテーションといいます。

MHCクラスⅠ分子に病原体由来のペプチドを提示する相手はナイーブキラーT細胞です。

T細胞には表面にCD4分子を持つヘルパーT細胞とCD8分子を持つキラーT細胞(細胞障害性T細胞)があります。

MHCクラスⅠ分子とくっつくにはCD8が必要となります。CD8を持つナイーブキラーT細胞はMHCクラスⅠ+ペプチドと結合して、活性化したキラーT細胞となります。キラーT細胞はMHCクラスⅡ+ペプチドに結合して活性化されたヘルパーT細胞のサイトカインを浴びて、さらに活性化することもあるようです。

活性化したキラーT細胞は感染した細胞を破壊するのでキラーという名前がついています。(つづく)

参考書:新しい免疫入門 自然免疫から自然炎症まで 著者:審良静男/黒崎知博

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME