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副院長ブログ(「インシュリン物語」を読む①)

[2023.04.12]

このところ糖尿病治療のための内服薬のお話を続けていますが、ここまでスルフォニル尿素薬(SU薬)を取り上げずに残してきた理由はインスリンの発見から注射の実用化に至る話を抜きに説明できないと思ったからです。

大前提として、インスリンとはなにか、膵臓のβ細胞とはなにか、などをすっ飛ばしてきたので、

11月14日の世界糖尿病デーにちなんで

毎月14日前後に名著である「インシュリン物語」を参考書として学習することにしました。

この本は1962年にカナダのトロントで発行された、

THE STORY OF INSULIN by G.A.Wrenshall & G.Hetenyi,Jr. & W.R.Feasby

が和訳され1965年5月に第1刷が岩波書店から発行されたものです。

私が手にしている本は1978年5月第12刷版です。

年代物の本なので現在読んでいるといろいろ差し障りのある内容や表現もありそうですが、

現代の医療に生かされている貴重な研究や叡智に触れることは大切なことと考えます。

私がなぜこの本を手に入れたかというと、糖尿病学会年次集会などで順天堂大学の河盛隆造先生の御講演を拝聴していて、先生が折に触れて「是非お読みになられることをお勧めします」とおっしゃっておられたからです。

河盛先生のように糖尿病診療に携わってこられ最近では名誉教授や病院長になられている先生方は青年時代にインスリン発見から実用化に力を尽くしてこられた研究者を師として海外で御研究なさった御経歴をお持ちの方々が多いと拝察しています。

そのような先生方の御講演をこの20年ほどの間、目の前で拝聴する機会を得たことはたいへん貴重な経験でした。

そんなことを言いながら今年の年次集会の参加申込を忘れていて参加費早期割引期間が過ぎていた!

インスリン発見から100年を経ての今、発見のころからの物語を読ませて頂くのは意議のあることだと思われます。

では本の最初からではなく読みやすいところから読み進めていきます。

 

参考書:インシュリン物語    G.レンシャル・G.ヘテニー・W.フィーズビー著 二宮陸雄訳 岩波書店

 

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