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副院長ブログ(インクレチン関連薬⑧持続性GIP/GLP-1受容体作動薬登場)

[2023.04.19]

インクレチン関連薬についてこれが8話目となります。

2話目で「インクレチンとは」に書いたことを再掲します。

「インクレチンとは消化管から分泌されるホルモンの一種で、食べ物を食べて消化管が消化吸収を行うときに消化管が分泌して膵臓からインスリンが早く出てくるように促すホルモンの総称で1930年代にincretin(intestine secretion insulin)と名付けられたのだそうです。

小腸のK細胞から分泌されるGIP(gastric inhibitory polypeptide)と小腸のL細胞から分泌されるGLP-1(glucagon-like peputide 1)が知られています。

GIPは胃酸分泌を抑制するホルモンとして1971年に見つかったあとインスリン分泌を促すホルモンであることがわかり、GLP-1は1987年にインクレチンであることが判明しています。

食べ物が消化管に入ってきたときに小腸からGIPとGLP-1が血液中に分泌され膵臓のインスリンを作るβ細胞のそれぞれの受容体に結合してインスリン分泌が促されるという仕組みです。

そのインクレチンは自然な状態ではささっと消えてその働きはとても短時間であることも知られていました。」

ということで、GLP-1の注射と内服薬が発売されて使われるようになっていますが、

昨日、もう一つのインクレチンであるGIPと、現在使われているGLP-1、双方の効果が期待できる注射が発売されました。

有効成分はチルゼパチドという薬で、天然GIPペプチド配列をベースとした単一分子でありながらGLP-1受容体にも結合するように作られていて数日効果が持続するのだそうです。

アテオスというお腹に当てて押すだけの注射形式で出てきました。

お腹に皮下注射して1週間効果があり、最初は2.5mgという通常用量の半量から開始して4週間様子をみて、その続きは5mgの注射に増量して4週様子をみる決まりになっています。

もっと血糖を改善したい、もっと体重を適正な数値に近づけてインスリン抵抗性を改善したい、という状況の患者さんにこれから用いられる件数が増えていくと思われます。

食欲が抑えられるので食べられなくなったり吐き気がしたりすることがあります。

急性膵炎や膵臓に腫瘍がないか注意する必要もあります。

発売当初1年間は二週間ずつの処方となります。

マンジャロ皮下注アテオスという注射です。

あくまでも糖尿病の患者さんのためのお薬で〜す。

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