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副院長ブログ(学校医が診ていること)

[2024.12.27]

京都には京都府医師会があり、地域毎に地区医師会があり、当院は西陣医師会に所属しています。

西陣医師会の会長さんから地区内にある市立小学校の学校医の任務のお勧めがあったのが、うちの子達が通った小学校からみんな卒業した春だったので、小さなお子さん達と会える機会になると思い、お受けしました。

京都市立の各園や学校の校医と連絡をしている京都市学校医会の事務局は中京区の「こどもみらい館」にあり、そこで新しく学校医となる医師は新年度が始まる前に先ず研修を受けます。

月日が流れるのは早いもので校医となって今年で10年目となります。

その今年の今月、学校医が何をしているのかを京都市内の小学校でお話しさせて頂く機会がありました。

校医として、聴診などする内科分野の医師(小児科医や内科医)と眼科医、耳鼻科医、歯科医、そして学校の衛生環境について定期的に調査を行う薬剤師が仕事を依頼されています。

春、新学期の最初の方で学校検診があり、修学旅行や宿泊研修、運動記録会などの前に依頼があれば随時に健康相談の機会もあります。

夏休み前後には長時間勤務の先生がいらっしゃる場合、お話しを伺う時間を設けています。

学校ごとに時期や回数は異なりますが学校保健委員会では健診結果や児童園児の成長の記録、環境面の問題点などについて話し合いが持たれます。

冬の始まりごろには次年度入園・入学予定のお子さんの就学時就園時健診に出務しています。

寒くなってインフルエンザなどが流行して欠席の子どもが増えてくると学級閉鎖をするべきかの相談も学校から連絡があります。

内科健診では、お子さんの体格、歩き方・立ち方、肌の様子などの観察から始まり、胸部背部の聴診(呼吸の音や心臓の音)をおこなっています。

2014年に座高検査や寄生虫卵有無の検査が必須項目から削除され、色覚検査は生徒と保護者の同意を得て必要に応じて行うことになりました。

2016年から脊椎側弯症と四肢・股関節・膝関節等の状態等についての運動器健診も内科健診で行うことになりました。

背中の状態をみるためには衣服をよける必要がありますが、今年度の健診から脱衣をせずに行うことになり、きちんと診るための工夫が必要になりました。

就園・就学時健診では内科的な診察と各種の予防接種状況を確認しています。

予防接種をするかしないかの判断はお子さんが小さいうちは保護者の方のお考えによりますが、成長とともにご本人の意向も交えて改めて相談されるとよいと思います。

(大学入学のときや海外留学の時などに抗体検査や予防接種が必要になることがあります)

各学校での役割のほかに依頼があった場合に学校医会の理事などで分担して公的な機関でツベルクリン反応検査やスポーツ記録会の保健室出務、勉強会や会議などに出務することもあります。

そんなこんなであっという間に1年が過ぎていきます。

時代の流れに合わせて今後も対応を考えながら学校とともに校医の仕事は続きます。

園児さんや学童さんたちがすくすくと育っていく環境作りの一助になればと思っております。

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