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副院長ブログ(HbA1c5.6%程度のひとが食後しばらくしてお腹が減る理由)

[2024.10.30]

検診外来で時々質問される内容です。

ややほっそりめの女性に多いかな、HbA1cが検診の基準値を少し越える程度の数値で、

食べてしばらくしてから、すごくお腹が空くのはなぜでしょうか、と。

お答えしている内容を書きます。

HbA1cがちょっと高いひとは、糖質が消化管で吸収されて血糖値が上がってきたことに反応してインスリンを膵臓から分泌するタイミングが遅れることが考えられます。

インスリンが働き出す前に急激な血糖値上昇(グルコーススパイク)があると、血糖値の平均値であるHbA1cが高くなります。

血糖値が高くなったことを感知して遅れて分泌する膵臓の細胞は長い時間インスリンを分泌し続けます。

そうするとゆっくり血糖値を下げたあとに、もう血糖値は充分下がっているのにまだインスリンが分泌されてしまってさらに血糖値が下がりすぎてしまいます。

血糖値が下がるとお腹が空いてきます。

下がりすぎると気分が悪くなるような、冷や汗がでるような、震えるような不快な状況になります。

これが低血糖症状です。

インスリンの分泌が遅れるのは体質というしかないこともあり、

糖分をいちどにたくさん摂り過ぎない、ゆっくり食べる、野菜や食物繊維から食べはじめる、などの工夫が必要です。

インスリン分泌力が年齢とともに減少してくると、その傾向が治まってくるように思います。

血糖値が下がってくると肝臓や内臓脂肪などに貯められているエネルギーが使われることになるのですが、その貯蔵が少なめの若い女性に症状が比較的多くみられるのだと考えています。

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