副院長ブログ(糖尿病合併症②尿中微量アルブミン)
腎臓は、太い血管が枝分かれして細い血管となり毛糸玉のようにくるくる巻いた部分(糸球体)から濾過された液体(原尿)を小さいカップ(ボウマン嚢)で受けているという、血管とカップの組み合わせ(腎小体)と、ボウマン嚢から長細い尿細管という管が伸びてその周りをまた長細い血管がとりまいて、尿細管と血管で必要な成分をやりとりしたり原尿を濃縮するのですが(腎小体と尿細管を合わせてネフロンと呼びます)、その腎小体がいっぱい集まってできている部分(皮質)と、尿細管が集まっている部分(髄質)と、たくさんのネフロンから出来てきた尿をまとめて受ける部分(腎盂)とでできている臓器で、尿管〜膀胱に尿を排出しています。
腎臓は細かい血管の塊といえます。
血圧が高すぎたり血糖が高かったりすると血管が傷むので腎臓も傷みやすいです。
小さな血管が傷つくと健常な状態では尿に出ない小さい蛋白質が尿に現れます。
血管を流れている蛋白質の中でサイズの小さい蛋白質はアルブミンです。
それが尿のなかに混じり出していないかを測定した値が尿中微量アルブミン値です。
保険適応上、この検査は糖尿病という病名がついている患者さんでないと実施できず、年に1-2回程度しか測ることが出来ません。
その数値が30未満であれば腎症Ⅰ期、正常範囲です。
30以上300未満は腎症Ⅱ期、早期糖尿病性腎症という段階です。
30を越えていても、血糖値が改善するとⅠ期に回復することもあります。
300を越えると検尿でテープで反応を見る検査でも尿蛋白陽性となり、腎症Ⅲ期となります。
腎臓の半分ぐらいが傷みかけていると思って頂いてもいいぐらいです。
尿中微量アルブミン値、いくらぐらいかお聞きになられたことがあるでしょうか。
(単位はmg/gCreです)