副院長ブログ(クリニカルイナーシアはスターシアではない)
「はーい、今日もHbA1c8%ですね、またひと月がんばりましょう。」
と前回と同じ薬を処方する、そして血糖は高めのまま。
そのような治療を続けてしまうことをクリニカルイナーシアと言うのだそうです。
言い訳になりますが、新しく検査を追加したり、薬を変えたり加えたり減らしたり、食事の工夫や運動を効果的に行う方法を模索・相談したりするためには、医師も患者さんもエネルギーと時間が要ります。
新たな変更には新たな説明と同意が必要です。
患者さんにとってはお金もかかることがあります。(相談の結果、薬が減るなら経済的ですが。)
それでも、せっかく治療を続けていただくのですから良い指標となる結果を得て良い体調を保つために患者さんと向き合う労力を厭わないスタンスで、イナーシアやってるな〜と思われないように、がんばらねばとは思います。
説明と同意と申しましたが、ペイシャントセンタードアプローチという言葉もあるように患者さん中心に患者さんの意思を尊重して寄り添い支援していく立場であることも医師として自覚いたしております。
患者さん中心にといっても患者さんがなんでもかんでも全部自分で決定できるものでもないことも承知しております。患者さんが選びやすい選択肢をご用意するということも大事だと昨年度は新たに学びました。
(でもね、絶対にHbA1c8%がだめなのか?←これについては個人個人で異なり、場合によるかもしれない、と思っては居るのです。元気で長生きな方もありますから。まだまだわからないことだらけです。)
こんな感じですが新年度も何卒よろしくお願い申し上げます。