副院長ブログ(インクレチン関連薬⑤GLP-1製剤の注射、その2)
トルリシティが世に出てから、GLP-1製剤の注射が広く使用されることになって、効果とその良さが知られるようになりました。
より多くの患者さんに受け入れられた理由のひとつに効果がややマイルドであることが考えられます。
食欲を抑える働きが軽めなので吐き気がして食べられないというほどの訴えをされる方は私が処方した患者さんにはおられません。
すなわち、もう少し減量効果を期待したい場合にはもうちょっと力が必要な感じでもあります。
それでも打ちやすくて週に一回だから、継続していただけているので、効果が持続します。
一方で食欲を抑える効果の高いビクトーザの週一回タイプの製剤が発売されると聞いて待っていたのですが、諸事情で発売が遅れている間に2019年にビクトーザと持効型インスリン(長く効くインスリン)とが配合されたゾルトファイという注射が発売されました。
これはインスリン注射でもありGLP-1製剤の注射でもあるお薬です。一日一回のインスリンとビクトーザを打っていた人には二回の注射が一回で済むので便利なものとなります。
ただし、薬の配合割合がインスリンに対してビクトーザが少なめなので注意が必要です。(胃腸症状の副作用を少なくさせたい場合に適しています)
2020年にはソリクアというこれまた持効型インスリンとリキスミアというGLP-1製剤の注射が配合されている注射が発売され、これはインスリンに対するGLP-1製剤の注射の割合がゾルトファイよりも多いものとなっています。
そしてそのソリクアと同じ時期にビクトーザの週一回注射であるオゼンピックがようやく発売されました。
ビクトーザとオゼンピックは通常の3分の1量から徐々に量を増やしていく決まりが有り、通常量を使用できるようになるまでに1ヶ月以上かかるのでこれも注意が必要です。
このように振り返ってみますと、いろいろ製剤が出揃ってきました。
そしてなんと来月、注射しかなかったGLP-1製剤の飲み薬が登場します。
(また次回に続きます)